
明治6年に発行された旧国立銀行券10円(10円札)に描かれた人物や出来事を、分かりやすくお伝えします。

どら猫くん、今日は神功皇后について勉強するよ!
女の人?どんなことをしたのか楽しみだなー。

目次
旧国立銀行券10円

旧国立銀行券10円も旧国立銀行券1円と同じ明治6年に発行された。
紙幣についての説明と明治6年の出来事は『旧国立銀行券1円【田道将軍と元寇】』に詳しく書いてあるよ。
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旧国立銀行券1円【田道将軍と元寇】
明治6年に発行された旧国立銀行券1円(1円札)に描かれている人物や出来事をお伝えします。 諭吉くん今日からは歴史と神話の話が盛りだくさんだよ。どら猫くん予習してきたかね? 昨日、夜の集会のあとに勉強し ...
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旧国立銀行券10円に描かれたもの
表と裏に分けて説明していくよ。
【表】雅楽演奏
【裏】神功皇后征韓
【表】雅楽演奏


雅楽(ががく)とは、唐や朝鮮から伝わり日本化した古典音楽のことなんだ。
耳にしたことがない人もいるかもしれないので、動画で探してみたよ。
わぁ~!平安時代の人みたいだなー。


楽曲の構成は『序』『破』『急』と流れがあるようだよ。
一度は目の前で聴いてみたいね。
【裏】神功皇后征韓


次は【裏】の神功皇后についての勉強。
古事記の話になるよ。
神功皇后は成務天皇40年に生まれ、第14代目の仲哀天皇の妻で第15代目の応神天皇の母である。
仲哀天皇と神功皇后は、天皇に背いていた熊襲(くまそ)を征討しにいく予定だった。
しかし、託宣(たくせん)が降りたんだ。
『熊襲(くまそ)』とは、九州中南部に住む大和朝廷に服属しなかった種族
『託宣(たくせん)』とは、神のお告げ
仲哀天皇は、熊襲征伐のために立ち寄り住吉大神の祀られた橿日宮(かしひのみや)で、神を招き寄せようと琴を弾いていた。
お告げの内容は「海の向こうの 宝の国『新羅(しらぎ)』を討て」という内容で神功皇后は信じたが、夫の仲哀天皇は信じず琴を弾くのを止めてしまったんだ。
側にいた武内宿禰(たけのうちすくね)は 「どうか琴を弾いてください」と必死に伝え、仲哀天皇は再び琴を弾いたがその場で急死してしまった。
神様を信じなかったからなのかー?怖いぞー。


『住吉大神』は素晴らしい神なのに…。




神功皇后さま!おキレイですね。
今日はよろしくおねがいします!
諭吉先生も美人に弱いんだなー。


こうして夫の仲哀天皇を亡くしてしまった神功皇后だが、神のお告げ通り軍勢を整えて新羅へ向かうんだよ。
妊娠をしていて臨月になっていたが、腰に石を付けてすぐ出産しないようにしたんだ。
そうするしかなかったのよ。
その状態で武内宿禰とともに新羅へ向かったわ。


強い追い風でたくさんの魚が船を持ち上げて運んだという話があるんだよ。
魚?!🐟🐟🐟(たべたい)




新羅に上陸した船を見て圧倒された新羅王はすぐに降伏したらしいぞ。
そして、新羅の隣の『百済(くだら)』も日本に捧げられ三韓征伐となった。
ただ本当の話かどうかは定かではないんだよ。
その頃、日本軍が朝鮮半島に派遣したことは事実らしいが、高句麗の王が記した好太王碑(こうたいおうひ)には、日本軍は撃退されたことになっているんだ。
信じるか信じないかはアナタ次第!


日本に帰ってきた神功皇后は、ようやく北部九州で応神天皇を生み下ろした。
大和に帰る途中、腹違いの仲哀天皇の息子2人に狙われたが、敵の一人はイノシシに食われて、もう一人は皇后の軍により敗退した。
そして、神功皇后は女帝となり、そののち応神天皇が即位された。


その後、神功皇后は100歳まで生きたという伝説があるよ。
次はオイラが神社紹介しようかなー!


神社?なんでしょう?




あなたが祀られた神社ですよ。
では、どら猫くんよろしく。
旧国立銀行券10円の人物が祀られた神社
香椎宮(かしいぐう)


写真は『香椎宮(かしいぐう)』だよ。
場所は九州の福岡にあるんだって。
あ、仲哀天皇が亡くなった橿日宮(かしひのみや)が現在の香椎宮な!
神功皇后が仲哀天皇を祀った神社で、のちに神功皇后も応神天皇も親子で祀られているんだ。
【香椎宮公式ホームページ】 http://kashiigu.com/
ぜひ、参拝してくれー。
オイラからの神社紹介でした!


ホームページ見たら素敵で行きたくなるわよ。




私もアナタに会いに行ってみます。
では、ありがとうございました。
【旧国立銀行券10円】まとめ
①発行日と廃止日
②旧国立銀行券10円の人物と関係者
①発行日と廃止日
旧国立銀行券10円【発行】明治6年8月20日 【廃止】明治32年12月31日
②旧国立銀行券10円の人物と関係者
【神功皇后】(じんぐうこうごう)おきながたらしひめのみこと
成務天皇40年生まれ。
第14代天皇の仲哀天皇の妻(皇后)。
第15代天皇の応神天皇の母。
住吉大神のお告げで妊娠中にも関わらず、新羅を征伐しに行き成功。
帰国後は女帝とし活躍した。
【仲哀天皇】(ちゅうあいてんのう)
第14代天皇。
神功皇后の夫であり応神天皇の父。
天皇に背むく熊襲を征伐したかった。
橿日宮(現:香椎宮)の住吉大神のお告げに反したため、橿日宮内で急死。
【応神天皇】(おうじんてんのう)
第15代天皇。
仲哀天皇と神功皇后の息子。
かなりの一夫多妻だったため子どもが27人もいた。
朝鮮半島から渡来人を招き入れ先進文化を伝えた。
【武内宿禰】(たけのうちすくね)
300年近く生きたという伝説が残っている人。
仲哀天皇・応神天皇に仕えた忠臣。


今日の授業はここまで!
どら猫くん、質問はあるかね?
神のお告げってどうやって聞いたんだ?




うむ。住吉大神のお告げは、武内宿禰を通して伝えていたらしい。
嘘ついて騙すことできそうだなー。


すべては、武内宿禰の思惑通り!かもしれない?!
謎めく古事記の話はとても多いよ。
色々と想像して楽しんでみるのもいいかもしれないね。
次回の授業は、旧国立銀行券20円について学ぼう。
次回もお楽しみに!
参考文献:日本貨幣カタログ,地図と写真から見える!古事記と日本書紀,もう一度学びたい 古事記と日本書紀,女帝 古代日本裏面史,Wikipedia